をやらかしてしま
地下牢に降りるまでもなく、地下から煙が吹き上がってきた。
「火事だぁ、火事だ、火事だ!」
牢番の一人が、命からがら煙の中から出てきて、ばったりと倒れたが、煙を吸っている様子はなかった。
「もう一人の牢番はどうした」朱鷺姫が倒れた牢番に駆け寄った。
「地下に倒れています、助けてやってください」
朱鷺姫は手拭いを近くに有った防火用水に
詩琳浸すと、自分の口を塞ぎ、姿勢を低くして地下に降りていった。煙はモクモクと上がっているが、火は見えない。どこが燃えているのか火元を探したがみつからない。
牢の前に、もう一人の牢番が倒れている。気を失っているのだと思った朱鷺姫は、牢番起こそうと抱えたが、頭から血を流して事切れていた。脳天を鈍器で殴られたようであった。牢の中の男たちはと見ると、毒を盛られたらしく、尽く口から血を流して死んでいた。
ある男が息子をおんぶして、川に架かる丸木橋に差し掛かった。背中の子供が恐がって暴れたために子供を川の中に落としてしまった。男は為(な)す術もなく、ただ嘆き悲しんでいると、川の水面に龍神様が現れて男に尋ねた。
「何を悲しんでおる、どうしたのか話してみよ」
男は子供を川に落としたことを話した。
「しばらく待っておれ」
言い残すと、龍神様は川の中へ潜っていった。
「川に落ちた子供は、この金の子供か?」
「いえいえ、そうではありません」
再び龍神は川の中へ。
「川に落ちたそなたの